おぐまゆき インタビュー
『9弦ギターを使う意味』
    〜変わっているけれども正直で。正直であるが故に嫌われる〜  (取材:文=大島栄二)

ライブへの想い

m:おぐまさんはこの数年ライブが年間100本近くととても多いのですが、自分では多いと思ってますか? それとも普通?

おぐま:この数年はそのペースでやって来ているので、自分としては普通なんですけれども、お客さんたちはそのペースがすごいということで応援してくれる人もいるので、多分多いんだと思います。

m:この数年、アンダーグラウンドの大物という感じの人との共演が増えているように思うんですが。

おぐま:自分に通じるというか、例えられる人たちがアンダーグラウンドの表現者が多いので、そういう人たちと一緒にやった方が、見る人にとっても楽しいのではないかと思ってます。だからこちらから共演をお願いしたりもしますし、ライブハウスがブッキングしてくれることもあります。ありがたいことです。

m:今までで印象に残っているライブは?

おぐま:今一番たくさん出てるのがAPIA40というライブハウスなんですが、そこは20年くらい出てるベテランの方も多くて、すごいなと思います。先日観に行った火取ゆきさんは、歌いながら涙を流す人なんですけれど、歌声には一切影響しない。見てしばらくは呆然とするくらいに感動しました。他には高井つよしさんや、小林薫さん。三上寛さんは何度も一緒にやらせてもらっているんですけれども、普段お話しを聞かせてもらっても、すごい人なんだなあと思います。

 

高井つよしwith火取ゆき『Hallelujah』


 

小林薫『僕の半分はすでに腐ってる』



CDは良かったライブの報酬のようなもの

 

 おぐまゆきは今年1月に10曲入りフルアルバムを、2月に3曲入りマキシシングルを立て続けにリリースした。

 
 
   
 

『一人ぼっちは嫌だ…』

 

『からすのうた』

 

m:今年の春にCDをリリースして、なにか変わったなあということはありますか。

おぐま:そうですね。CDを出してから声をかけてもらえる回数が一気に増えました。

m:声かけてもらうというのは、どういう意味で?

おぐま:良かったとか、まあ話しかけてもらうきっかけになってます。CDを売りたいという想いはありますが、自分としてはライブの方を見てもらいたいから、良かったライブの報酬としてCDを買ってもらっているという思いがあります。CDを買ってくれた人がまたライブも見たいと思ってくれるといいなと。

m:ということは、投げ銭ライブのような、CDってライブの結果を測る意味での一種の投げ銭みたいなものですか。

おぐま:そうですね。自分が「今日は良いライブが出来た」と思ったからといってそのままCDが売れるわけでもないし、逆に「ダメだった」と落ち込んでても売れることもあって、自分が感じているのとお客さんが感じているものは結構違うんだなということも判るようになりました。だから自分も手応えを得られて、CDもちゃんと売れるというライブをしていかなきゃいけないと思います。それはリリースしてから一層ちゃんと思えるようになりました。

 


(2014年7月1日)

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インタビュアー:大島栄二
インディーズレーベル、キラキラレコードのプロデューサー。ビクターレコードインビテーションレーベルに勤務の後1992年に独立。以来音楽の裾野を広げるべく活動中。ひとつのジャンルに偏らない音楽観で様々なアーチストを世に送り出している。
2013年にmusipl.comを立ち上げる。
 

 

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