musipl.comでの1000レビュー全体での
 総合アクセス数上位10レビューはこちら!

 
1位 SANABAGUN
『人間』
 TV放送のアニメ制作者の「ベッドシーンはNGなので、代わりに男女の食事シーンを意図的に入れてる」との話に、メジャーの難しさは規制の枠、それを感じさせない表現かと。深夜フリートークで「こんな雨の日は一日中部屋で彼とヤりまくりたい」と気さくに話す歌姫も、メジャーではカブトムシやテトラポットに置き替えて「こんな夜にお前に乗れないなんて!」的に暗号化する訳で。サナバガンの1stメジャーアルバムの… (レビュアー:北沢東京)
 

 
2位 中島みゆき
『麦の唄』
 メガ・ヒット曲、知名度があっても、どこかひねくれ、尖り続けながら、確実に多くの人たちの背中を押すアーティストとは考えるになかなか居ないが、それでもやはり、中島みゆきの情念、バイタリティは日本の中で渦巻く集合的な言語化しきれない無意識の言語化できない葛藤や行き場のない想いをどこか代弁するようで、突き放し、考えさせる懐の深さがあるのかもしれない。こんな世知辛い瀬に、彼女の唄はフラットに… (レビュアー:松浦 達)
 

 
3位 ケリーマフ
『イカサマ』
 コワい。いや、カッコいい。このシャウトの仕方が、本当にシャウトというか、吠えているというか、悪態をついているというか、かなり独特で耳からなかなか離れてくれそうもない。これだけ吠えまくりなのにしっかりと音楽になっていて、とても面白い。ロックバンドの人は楽譜なんて読めなくて当たり前とか、いやいや楽譜も読めなくて音楽が出来るかとか、もはやそんな論争など意味不明なくらいに、この歌メロを… (レビュアー:大島栄二)
 

 
4位 H ZETTRIO
『Beautiful Flight』
 年末にYoutubeでバカリズムさんの神コント「女子と女子」を観ようと検索していたら、CMで出てきたH ZETTRIOの「Beautiful Flight」。たいていの場合はスキップするCMですが、このときばかりは兎に角、初っぱなから度肝を抜かれました。これはもう、本当に見事としか言いようがないぐらいに大衆性と芸術性のバランスが抜群に良くて、聴いているだけでめちゃくちゃ幸せになります。物凄くポップなのに… (レビュアー:本田みちよ)
 

 
5位 河野圭佑
『人間なんて』
 なんだろうこのエネルギーは。比較的武骨なルックスのシンガーがピアノを弾いて人間讃歌をうたう。聴いててグッとくる。ハスキーな声は酒焼けなのではないだろうかと勝手な想像をするのは、彼ならきっと豪快に飲みそうだなあというこれまた勝手な先入観で、事実がどうなのかはまったくわからない。だが、たとえこのハスキーボイスが酒焼けだったとして、それで何の支障があろうか。腹の底から沸き上がるような声量と。…  (レビュアー:大島栄二)
 

 
6位 The SAMOS
『Monotony』
 ミクスチャーシーンの先駆者として知られるSBKのリーダーだったShigeoJDが中心となり、実弟Raymond(Key, DJ)、M.I.T.(MPC, Electro-Dr)の3人からなるThe SAMOS。The SAMOSは私の主催する 世界に誇れる日本のミュージシャンを紹介するWEB音楽番組「MUSIC SHARE」でも大プッシュしているバンドです。サウンドが洗練されているのはもちろんですが、媚びすぎず突き放しすぎずの絶妙な… (レビュアー:本田みちよ)
 

 
7位 Gotch
『Good New Times』
 ファウンティンズ・オブ・ウェインを思わせる詩的なサニーサイド・バブルガム・ポップ。同時に、エルヴィス・コステロ・アンド・ジ・アトラクションズのような影を忍ばせながら、モデスト・マウスの或る時期の息吹を継受し、いわゆる、アジカンのフロントマンこと後藤正文は、都市の中で花束を受け取り、市井の人たちに渡す。シリアスな様相が強まっていた時世でのこのバウンシーな路上文学的風情はうつくしい… (レビュアー:松浦 達)
 

 
8位 最終少女ひかさ
『商業音楽』
 本気のバンドマンにとって、「金と時間もらって俺達はここに立ってる」の言葉がすべてじゃないでしょうか。最近は音楽にお金を使わないことが普通になってきたというニュースを最近よく目にしますが、そういう中でもやはりお金を使ってライブに来てくれたりCDを買ってくれたりする人が少なからずいて、そういう人の前で趣味でやってるのはやはり不誠実だと思うのです。「趣味の音楽でも良いモノは良い」なんて言葉は… (レビュアー:大島栄二)
 

 
9位 POP-OFFICE
『End Of The Summer』
 スーパーカーが90年代後半に颯爽と顕れた印象を彷彿とさせるシューゲイザーと歌謡性を折衷しながら、少しずつ過ぎゆく青い想いと若さゆえの無為、倦怠感を刻印したような言葉を乗せて、音空間を游泳する―そんな、ささやかな感傷さえこのMVを観ていると、よぎりもする。そして、全体を包み、暈かす北野武の映画の一部に見受けられるような独特の“ブルー”は切ない。このフィードバック・ノイズが止まない間は… (レビュアー:松浦 達)
 

 
10位 コアラモード
『Hello Hello Hello』
 この軽快なポップチューンは一体なんなんでしょうか。あんにゅさんのボーカルも可愛くてステキだし、完成度がとても高くて、動画と呼べるのかどうか微妙でしたが、紹介したいというこの衝動を押さえきれません。小川美潮や矢野顕子などのハイセンスで個性豊かなボーカリストの系譜に入れてもいいのではないでしょうか。そういう系譜に入るボーカリストは往々にして特徴だけが突出して実力が伴わないものです… (レビュアー:大島栄二)
 

 
次点 あららら
『さよならせかい』
 カワイイ。あらららという脱力感溢れる名前のバンドが贈るMVはボーカルのぽんぽこたろーが体育館(?)を駆け巡る中で次々といろいろなステージを見せてくれる。最後の演奏シーンだけで十分に楽しめるはずなのに、あえてこういうビデオを作って楽しませてくれる。しばらく前にOK Goの新作をレビューしたが、そこで「出来る範囲の出来そうもないことにトライして実現していく積み重ね」ということに言及したが… (レビュアー:大島栄二)
 

 
編集長コメント
 musipl.comのレビューが1000回を超え、これまでの1000レビューの中でどの曲にアクセスが集まっていたのかを集計してみました。どれも毎月のレビューで上位に入っていた曲ばかり。musiplにとってはお馴染みの曲という印象です。それぞれの曲についてこまごまと書くのも今さら何だなあという気もしますので、書きません。

 でも、それぞれ思い出しますね。1位のSANABAGUN。ずーっと着実にアクセスが続いて、途切れないのが不思議な感じでした。堂々の第1位。3位のケリーマフも本当にずーっとアクセスが集まって、メジャーでもない無名バンドがよくぞここまでという感じでした。あっぱれです。
 
 8位の最終少女ひかさ、頑張ってますよね。10位のコアラモード、メジャーデビューしましたね。次点のあららら、可愛さ満点でしたね。無名のバンドが頑張ったり光ったりしているのを見るのは本当に嬉しいものです。彼らの活躍にはエネルギーをもらえます。一方9位のPOP-OFFICEはTwitterアカウントも消え、活動している様子があまり感じられない印象で、でもまたそういうのもバンドの宿命のようなものです。いつまでもずっと続けていけるわけではないし、精力的で無くなったからといって責めたりしてはいけないものです。

 僕以外のレビュアーさんのレビューも、1位の北沢東京さんのレビューをはじめ松浦さん、本田さんのものがいいバランスで入ってて、嬉しいです。夜鍋太郎さんのレビューが上位には入ってませんが、洋楽専門で書いていただいているというのが、日本の音楽シーンでは多少ハンデがあるのかもしれません。でも、ここから少しでも洋楽のファンが育っていけばいいなと思ってます。

 このランキングに入っていない曲にも、思い出のある曲はたくさんありますが、それはまた別のところで。

(大島栄二)