2014年のmusipl.comでの2月アクセス数上位10レビューはこちら!

 
1位 ATOMS FOR PEACE
『Rabbit In Your Headlights』
 想えば、不思議なことでもあるが、今はどんどん、アーティスト・サイドからオフィシャルに無料でライヴ映像を公開するのである。これは、UKのバンドにして今や世界的にもはや、高く祭祀に置かれているともいえるレディオヘッドのフロントマンのトム・ヨークがサイド・プロジェクト的に組んだアトムス・フォー・ピースの昨年の来日における東京公演でのある一曲を巡ってのものだ。しかも、これはUKの… (レビュアー:松浦 達)
 

 
2位 コアラモード
『Hello Hello Hello』
 この軽快なポップチューンは一体なんなんでしょうか。あんにゅさんのボーカルも可愛くてステキだし、完成度がとても高くて、動画と呼べるのかどうか微妙でしたが、紹介したいというこの衝動を押さえきれません。小川美潮や矢野顕子などのハイセンスで個性豊かなボーカリストの系譜に入れてもいいのではないでしょうか。そういう系譜に入るボーカリストは往々にして特徴だけが突出して実力が伴わないものです。でも… (レビュアー:大島栄二)
 

 
3位 神谷成基
『何にもないです。』
 この淡々とした絶望感。喪失感。いや、最初から持っていない状態からスタートしたのなら絶望もしなければ喪失したという感覚もないのかもしれないと、ちょっと不思議な衝撃を受けました。歌はその時代を無意識に映し出すもので、現代のハイティーンはこういう心持ちで生きているのかななんて気分になります。しかしこの神谷成基くん、最初はソロの弾き語りシンガーかと思っていたらかなり充実した演奏陣を従えて… (レビュアー:大島栄二)
 

 
4位 Hauschka
『Offbeat Session』
 音楽ではBPMという言葉をよく使うが、医学用語でのそれは1分間に動く心臓の鼓動回数のことで、安定した心臓のBPMは100から120としている。つまり、それ以上になってくると“心臓に悪い”、というところもあった訳で、ただし、高揚状態をもたらす訳だ。反語的にいえば、痙攣するような速いBPMで踊ったときトランシーになると同時に、その時の脈動も上がるように。100から120というと、現代では「遅すぎる」と… (レビュアー:松浦 達)
 

 
5位 Young Fathers
『LOW』
 スコットランドはエジンバラ出身のヒップホップ・クルー、Young Fathers(以下YF)の新譜『DEAD』がしばしばTV on the Radio(以下TVOTR)を引き合いに語られる要因の1つとして、ここで紹介する「LOW」にあるような、シンセの長めの音(時にドローン的)がアルバムの至るところで聴き取れることが挙げられるだろう(TVOTR「Halfway Home」などを聴くとその類似性がよくわかる)。しかし… (レビュアー:八木 皓平)
 

 
6位 Sun Glitters
『Only You』
 チルウェイヴという名称が2010年代から目立ち始めた頃にこのルクセンブルグ出身のヴィクター・フェレイラのソロ・プロジェクトたるサン・グリッターズもそういったカテゴライズをされていたが、他のアーティストにはないセクシャルな魅力を感じた点で差異も見えた。ベッドルーム・ミュージックにはいわゆる、性的衝動は妄想の範疇での限界も出てきてしまうが、彼の場合は微睡むような音風景はまるで現実の… (レビュアー:松浦 達)
 

 
7位 スピッツ
『日曜日』
 日曜日は平等に誰でもあるが、その日曜日の費消の仕方はそれぞれである。買い物、飲み食い、無為、なんでもいい。ただ、幻想に浮かぶ日曜日も音楽は用意してくれる。「弱い犬ほどよく吠え」ながら、日本でも桁違いのセールスをあげて、前線に立つようで様子見をしているバンド。「ロビンソン」で築き上げた二人だけの妄想の国はポップ・ミュージックが希求し得るべき最大公約数だったとしたら… (レビュアー:松浦 達)
 

 
8位 おいしいはなし
『ピンク色のけだもの』
 一聴、少し舌ったらずの声が初期のジュディ・アンド・マリーのカラフルさを思わせるバブルガム・ポップの色を持ちながらも、奇妙なハーモニー・ワークや寓話性の強い詩世界とともに、最初の一音目の印象から、聴き終えたあとには、捉えようのない不思議なサイケデリアに訴求された感覚が残る。おいしいはなし、というバンド名もそうだが、このまるでメタ・渋谷系的なMVの「ピンク色のけだもの」を収めた… (レビュアー:松浦 達)
 

 
9位 三ヶ尻愛美
『いいよ』
 自室でギターを弾きながら歌うシンガー。女性の部屋を覗き見をしているような感覚になってしまうけれど、この人部屋でこんなに熱唱して近所から苦情来たりしないのかなどと妙な心配をしてしまいます。声量をセーブするかどうかはともかく、世の中のほぼすべての歌はこうしてただひとりの部屋から生まれるんだろうと思うし、だからこそ、ここに音楽の原点があるような気もするのです。もちろん… (レビュアー:大島栄二)
 

 
10位 ペンネンネンネンネン・ネネムズ
『東京の夜はネオンサインがいっぱいだから独りで歩いていてもなんか楽しい』
 HIP HOPってコワモテのお兄さんが愛や友情や正義を心の底から一方的に訴えているって印象がどうにも強いんですけど、よくよく考えてみたら渋谷系なんて言葉が流行っていた頃にはもっとカルチャーなテイストのHIP HOPが沢山あったなあと、そんなことを思い出しました。彼らの他の曲を聴いてみると特にHIP HOPにこだわっているという訳でもなさそうですが、この曲のゆるフワHIP HOPがすごく好きだなあと… (レビュアー:大島栄二)
 

 
次点 銀鼠
『エンドロール』
 声がいい。引き込まれる。声がいいということがそれだけで説得力と吸引力を持っているという事実を再認識させてくれる銀鼠のパワフルな歌。種類は違うけど、思えばミスチルの桜井氏の歌声も、あれはもう声だけで敵わないよなあという力を持ってて、凡庸な声ではまったく近寄ることも出来ないのだけれど、場合によってはそれに匹敵するんじゃないかとさえ思うほどの響きの良さ。「今僕が歌っているこの歌を誰が聴いて… (レビュアー:大島栄二)