2017年のmusipl.comでの5月アクセス数上位10レビューはこちら!


 
1位 w-inds.
『We Don't Need To Talk Anymore』
 w-inds.のことなんてずいぶん見てなかったなあと思ってたけど、みんな大人になっちゃってて。流行ってた頃に較べるとみんな顔が縦に長くなっちゃってて。うん、子供から大人に身体も成長したということですよね多分。そんなw-inds.の曲を超久々に見て聴いて、なんという変化というか進化というか、日本の一般的音楽ファンなんて最初から相手にしてないよねとでもいわんばかりのテイストに驚く。いや… (レビュアー:大島栄二)
 

 
2位 THE GOGGLES
『TWITT AND CHATT』
 ビー○ルズのパロディソングだけを作るという噂のバンドの新作MV、なんだこの完成度の高さは。原曲との適度な距離感が素晴らしい。パロディバンドはその対象が好きで好きで好き過ぎてオマージュというか、「僕らはこれが好きなんです、聴いてるあなたもそうでしょう」というテイストが作品とパフォーマンスから溢れてて少々「イタい」ことになっていることが多い。だが、このMVにはそういうのがまったく無い… (レビュアー:大島栄二)
 

 
3位 vivid undress
『ウララ』
 この曲はテンポも速いし、楽器構成などもそんなに違っているわけではないのに、なんかもう絶対的に違う印象を放っていて、興味深い。心情を外に出そうという意思を感じる。こういう曲調はともすれば曲自身の個性を打ち出していくことからは離れていくし、そうすれば飛びつくようにファンになってくれる人を失っていく傾向に向かっていくだろうと思う。それは彼らが今後伸び悩んでいく可能性でもある。だが… (レビュアー:大島栄二)
 

 
4位 パノラマメロウ
『二本足の唄』
 ナチュラルで自然な感じのダークネス。こういうのが一番怖いと思う。いかにも凶暴な風体の人が金属バットを持ち歩いてたら注意して避けて歩くけれど、普通の印象の人が凶器を持って歩いていたら、何の注意もすること出来ずにすれ違うだろう。いや、それはけっして仮定の話ではなくて、きっと毎日の生活で頻繁に起こっていることなんじゃないだろうか。それは具体的な武器としての凶器のことだけではなくて… (レビュアー:大島栄二)
 

 
5位 ippuku
『ヨルノセイ』
 こういうのを疾走感ある曲だというんじゃないかなあと思いながら聴いている。曲のテンポを上げてBPM競争みたいなのをするとかいうのはたしかに物理的に速くなるし、そういうので踊れるぜという人も多いんだろうけれども、そういうので精神は疾走しない。途中のフレーズで「夜がくる、くるぞー!」という歌詞が絶叫されるのだが、そこがイイ。夜が来ることを否定せず、むしろ夜が来るワクワク感… (レビュアー:大島栄二)
 

 
6位 The Wisely Brothers
『サウザンド・ビネガー』
 個々によれど、オーガニックでデトックスな音楽はあると思う。聴いていると、心身に馴染み元気になるような。この曲も、私的にだが、どんどん老廃物が剥がされてゆくような気持ちになる。曲名に示唆されるところがあるばかりではなく、彼女たちが伸びやかに自在になってきた音風景の中で、笑顔と葛藤、もどかしさのなかで、それでも、はしゃいでいるような何かが見えるからか、メロディー、歌詞、ハーモニー… (レビュアー:松浦 達
 

 
7位 toitoitoi
『ぬめり』
 冒頭から画面の向こうからこちらを刺すように見据える視線が向けられている。その視線は徹頭徹尾こちらに向かっている。楽曲やサウンドなどの要素とは一切関係なく、この視線が強く迫ってくる。目にはものすごい力があるということを再認識させられるMVだ。だが目力にだけ心を支配されててもレビューにならないわけで、この目力と並行して歌われるパフォーマンスをしばし眺めて、耳を傾け、感じるのは… (レビュアー:大島栄二)
 

 
8位 RETO
『私の歌』
 ポップな声の女の子はボーカリストになってしまうのだろうか。そういう女の子をバンドマンはボーカリストにさせてしまうのだろうか。RETOのボーカル小山結衣の声はポップなキュートさでありながらもドスの利いた迫力を併せ持っていて、聴いていると心の奥に傷をつけて去ってしまうような、そんな鋭さを感じてしまう。歌の上手いボーカルはたくさんいるし、変化球のようなキャッチーさを売りにしているボーカルも… (レビュアー:大島栄二)
 

 
9位 WORLD WAND WOOD
『ハローサンシャイン』
 ずるいなあこの声。いや個人的な好き嫌いかもだけど、こういう声好き。特別に音域が広いわけでもないのに全体的に低い音域を歌っているように聞こえてしまう。そうかと思ってたらすぐにファルセットに移っていってて、アレレレって揺さぶられる。ファルセットなのに特別高音に聞こえない。なんだろうコレ。普通の声ならかなりのシャウトなどしなければ動かすことのできない心の或る場所を、淡々と歌うだけで… (レビュアー:大島栄二)
 

 
10位 POLTA
『遠くへ行きたい』
 声が色っぽいです。高音からファルセットに逃げずに艶やかに伸びるこの声。70年代だったらアイドルとしてバカ売れしたかもしれないと心から思うPOLTAの尾苗愛は平成の倉田まり子って感じではないでしょうか。え、古いですか?誰も知らないですか?若いのに色気あるって人気だった…、もう誰も知らないですか?そんな尾苗愛さんは謎の音楽集団「禁断の多数決」っていうのもやってて話題ですが、僕はこのPOLTAの方が… (レビュアー:大島栄二)
 

 
次点 KIRINJI
『進水式』
 淡いロマンティシズムと仮設定されたプレ・モダンな相対命題、要は在りし日の未来絵図の間隙をすり抜けるようなシティ・ポップが若い世代から続々出てきており、このmusipl.でも多数、取り上げられてきた。それは、いつかの大瀧詠一的な何かとの断層はあるが、それでも、シンプルなロックンロール、スタイリッシュなポップス、マッドで刺激的なエレクトロニック・ミュージックなどと相克するように… (レビュアー:松浦 達
 

 
編集長コメント
1位 w-inds.『We Don't Need To Talk Anymore』:w-inds.やっぱ注目されてるんですね、自分が知らないだけで、日本ではもう過去のグループなんていうのはまったくの誤りで、今もやっぱりスーパーグループなんですね。そういうのを改めて知るのも、興味深い音楽体験のひとつだったと思います。こんなことを書いたらまたファンの皆さんにお叱りを受けるかもしれません、おてやわらかに…。

2位 THE GOGGLES『TWITT AND CHATT』:福岡の謎パロディソングバンドTHE GOGGLESが2位に。先日は地元のフェスにも登場したということですから、その活動もどんどん広がっている様子で、ファンも確実に広がっているのでしょう。パロディというか、ネタからスタートして、それがどんどんオリジナルになっていくという珍しいサクセスストーリーを目の当たりにしているようです。

3位 vivid undress『ウララ』:自主レーベルで再スタートしたvivid undressが3位に。彼らの音楽性に付いて書いたことが「そんなサウンドだったっけ?」というご指摘というか叱責というか、そんなご意見をいただきました。音楽についての評価はいろいろあるし、僕の言ってることが全部正しいとは申しません。間違ってることもあるでしょう。そういう点については謙虚に反省しつつ、次は正しいレビューをしていけるように頑張っていきたいと思います。それでもパーフェクトになることはきっとないでしょうし、間違いを恐れることなく、どんどん書いていきたいなと。vivid undressのこととはあまり関係なかったですかね、ご容赦ください!

4位 パノラマメロウ『二本足の唄』:単純なページビューではこのパノラマメロウが今月ダントツ1位でした。しかしmusiplのアクセスランクはユニークユーザー(1人が何回もアクセスしても、1ユニークユーザー)数でカウントしているので、4位ということになりました。つまり、1部のファンが何度もアクセスしてくれたということで、熱心なファンを持っているということなのでしょう。現在の音楽シーンを考えると、なんとなくファンという人をたくさん持っているよりも、確実に音源を買ってライブにも来てくれてグッズも買ってくれるという熱心なファンを持っている方が強かったりするので、そういう意味ではパノラマメロウのレビューへのアクセス傾向は、将来に向けて頼もしいものだったのではないかという気がしています。。

8位 RETO『私の歌』:過去レビューのTwitterでの再ツイートにメンバーが気付き、そこから広がっていきました。レビューした時にはメンバーやファンに気付かれず(わざわざ告知してないですから)にスルーしてしまうことも多いmusiplのレビューですが、こうして巡り巡って今気付かれるということも、何らかの運命なのかもしれません。その気付きとアクセスアップによって、彼らの最近の曲などをまた聴いたりするきっかけにもなりましたから。そういうファンもいらっしゃったのではないでしょうか。

9位 WORLD WAND WOOD『ハローサンシャイン』:5月30日のレビューでしたので、2日間だけの集計というのは彼らにとってちょっと不利だったかもしれません。それでもこうして9位に入ってくれて、なんか嬉しいです。実は6月に入ってもアクセスは止まってないので、月の半ばくらいにレビューされていたらもう少し上位だったかもしれません。まあ、ランキングがどうこうということには関係なく、この声が個人的に大好きなので、もっともっと頑張っていってもらえればなあと、そんな感じです、ハイ。

 5月の終わりから32度とかになっちゃってて、なんか暑くないですか。毎年こうでしたっけ? しかし毎年同じようなことを言っているような気もします。みなさん体調崩されませんよう、水分補給とか、休息とか大事ですよ。それではそれでは。

(大島栄二)