夕焼けアフロ
 
『夕焼けアフロ』
1. 月となんとか
2. きりぎりす
3. 思案中
4. ひかり
5. もう、いまさら
6. 散歩道
 泣けるのだ。とにかく泣けるのだ。6曲入りのこのアルバムの中で1番胸を押しつぶされそうになったのは4曲目『ひかり』のエンディング。歌終わりで数秒のブレイクの後にハーモニカソロがあるのだが、その盛上がりからピアノが渾身の力でドンと鳴る。そのドンが、ものすごいのだ。そこから間髪を入れずにピアノソロが数フレーズ。そのソロはできるだけ呼吸を抑えて感情も抑えて……
 
  (レビュアー:大島栄二)  

 
『おかえり』
 家に帰って灯りが点いているとホッとする。それはよくいわれることだが、じゃあ灯りが点いてさえいればいいのなら出かける時に電気を消さずに出ればいい。それで本当に帰宅してホッとできるのかというと、多分それは違うだろう。迎えてくれる何かがあるということが、その言説の意味なのであって、灯りが点いているかどうかは単なる比喩に過ぎない。どこかに出かけて、それは夜には帰る仕事でもいいし、帰宅予定のある旅行でもいいし、いつ帰るとも知れない放浪でも……
 
  (レビュアー:大島栄二)