ぼくのりりっくのぼうよみ
 
『僕はもういない』
 本日、ぼくのりりっくのぼうよみ氏は辞職するという。辞職ってなんだよ。引退ではないのか。出てきたときから謎めいたキャラで脚光を浴びたぼくりりくんだが、その後の活動の中で何があったのだろうか。まあいろんなことがあっただろうし、業界内力関係と自分の主張をどこまで通せるのかというパワーバランスの中で葛藤もあったのだろう。これを単にアーチストエゴと片付けてしまうのは簡単だが、アーチストも1個の人間だ。通したい自分があるのは当然だし……
 
  (レビュアー:大島栄二)  

 
『after that』
 その年のシーズンズ・グリーティングみたいにクリスマス・ソングがそれに花を添えるという意味では今年は、この雰囲気かもしれない。どんどん拓けてきている、ぼくのりりっくのぼうよみの年明けにリリースされる、タイトル名から如何にもな『Noah’s Ark』からのリード・ソング。しかも、コンセプト・アルバムの最後を締める曲。18歳の青年が急速度でユーフォリアの新たな形を再定義してゆく頼もしさと、変わらず喋るように捲し立てられる歌詞と、作曲に……
 
  (レビュアー:松浦 達(まつうら さとる))  

 
『Sunrise(re-build)』
 ぼくのりりっくのぼうよみ、の佳さはシェルターの中で言いたい放題で完結するのではなく、「個」から井戸の奥で普遍性に繋がるというアフォリズムも軽くかわして、MVや言葉の端々から痛烈な政治性を感じるところにあると思う。自身もちゃんと傷つき、その分、あまりある優しさが胸にせまることが大きい。Shing02やTha Blue Herbの時代と違う、KREVAを経てもと思うが、このドリル状に巻くしたてられる言の葉の数々と、その意味が昇華されるのか、視えないがゆえの……
 
  (レビュアー:松浦 達(まつうら さとる))