Akira Kosemura
 
『虹の彼方』
 Akira Kosemuraの今の八面六臂のペースと作品、活動を知らないのは勿体ない。以前にもここで紹介したのがほぼ三年前になるが、現在進行形で進めていたもの含めて、昨年、2016年は五年振りのフルアルバム、完全即興のピアノソロ作品、EPリリースから、新たなプロジェクトとしてフォトグラファーの新田君彦氏と音楽と映像のプロジェクト『Spread The Branches』を始めるなど多くの音を伴った情景を届けてくれた。特に、五年振りの六枚目となるアルバム……
 
  (レビュアー:松浦 達(まつうら さとる))  

 
『VENICE』
 デジタル技術の飛躍的な向上のお蔭といおうか、昔にアナログ・フィルムで撮った写真や画像群をデジタルで二次加工することが可能になり、「残す」ためにどんどん変換してゆくことが増えた。しかしながら、デジタル加工したものを印刷すると、元にあった「遺っていた何か」が削られているような気にもなる。年月日や風景、人物がしっかりと刻印されているにも関わらず。Akira Kosemuraの音には、その変換途中で喪われてしまう瞬間の淡みを感じる……
 
  (レビュアー:松浦 達(まつうら さとる))