RETO
 
『Restart』
 そんな彼らのツアーファイナルワンマンが2日前に終わり。会場は下北沢のCLUB Que。このライブ終了後にいくつかのライブをおこなって、3月いっぱいで活動を休止することをRETOは昨年12月に発表している。寂しいよな、ホント。音楽の質とは別のところで、バンドはエネルギーを使い果たしてしまうことがあるのだ。ベテランアーチストの訃報が流れてからその才能を惜しんでももう遅いように、バンドが疲弊して活動休止してしまってから寂しがっても遅いのだ……
 
  (レビュアー:大島栄二)  

 
『あのね』
 必殺のライム、グッとハートを掴む歌詞をパンチラインといったりするけど、本当にこの文字数で描けてる!っていう一文、好きです。心の掴み方は、熱さだったり、冷たさだったり。「やられたー!」と勝ち負けを感じてしまうのは、アイディアの一文。RETO『あのね』の動画に添えられた「このMVの中に11個変わったところがあるの見つけられた?」っていうリードコピー。これ、間違い探しがあるの(正解者には叙々苑の食事券がっ)。再生回数が階段を上る要素なのだし……
 
  (レビュアー:北沢東京)  

 
『部屋物語』
 最近のRETOの曲をいくつか聴いて、驚いた。ええ、驚いたのです。とっても刺さる。刺さる。こういうの、今の僕にはとても刺さる。2年半前のレビューでは、「以前の曲では単にポップを指向するだけの曲を懸命に歌っていたようだが〜/聴いていると心の奥に傷をつけて去ってしまうような、そんな鋭さを感じてしまう」ということを書いていた。だが、どうだろうこのところの彼らの曲は。小山結衣の声にだけ耳が向かうのではなく、それはもうサウンドの一部のような印象で……
 
  (レビュアー:大島栄二)  

 
『私の歌』
 ポップな声の女の子はボーカリストになってしまうのだろうか。そういう女の子をバンドマンはボーカリストにさせてしまうのだろうか。RETOのボーカル小山結衣の声はポップなキュートさでありながらもドスの利いた迫力を併せ持っていて、聴いていると心の奥に傷をつけて去ってしまうような、そんな鋭さを感じてしまう。歌の上手いボーカルはたくさんいるし、変化球のようなキャッチーさを売りにしているボーカルもたくさんいるが、鋭さを持ったボーカルは……
 
  (レビュアー:大島栄二)