岡崎体育
 
『龍』
 岡崎体育は多岐に渡る活動で分かるようにサービス精神と器用さに抜きんでているものの、本当に賢く繊細な感受性の鋭敏な方だと常々思う。自身の道化性を弁えて、時に素の自分に沈み込むような生真面目さの幅でもがき、このメジャーでは3枚目となる『SAITAMA』では積み重ねてきた岡本体育像が真摯に凝縮されている。これまでのようなテクノ・ポップ、ダンスなどの陽の側面やトリッキーなネタは抑えめに、翳ろいを帯びたアンビエント・ミュージック、淡い音色が……
 
  (レビュアー:松浦 達(まつうら さとる))  

 
『式』
 この『式』における彼方まで往くような叙情性こそ、彼の音楽に対する限りない信頼と真摯な覚悟を感じざるを得ない。彼の作為があろうが音楽として。深読みがいくらでもできるような散文詩のような中にこの時代を生きる一人のひととしての右往左往する感情やごちゃ混ぜになった楽観、悲観、諦念、願望までがシンプルなバラッドに沈む。それでも、バラッドから細い血管が浮き出てくるほどの切なさとこの歌も忘れてしまうのだろう、消費されてしまうのだろう……
 
  (レビュアー:松浦 達(まつうら さとる))  

 
『MUSIC VIDEO』
 ミュージックビデオのあるあるをそのまま曲にしてビデオにしたと話題の曲。見てみるとたしかにあるあるだ。ミュージックビデオを作ったりすることもある立場としては、じゃあ他にどんな手法があるんだよとか思ったりするし、マイケルジャクソン並の予算があるならばともかくスタジオ借りる予算も大道具作る予算もなければ外ロケしか無いじゃないかという中で、なんとか動きを出そうとするとまあこのくらいしかないよなという結論に落ち着く。で、この曲……
 
  (レビュアー:大島栄二)