羊文学
 
『Step』
 1年ほど前にレビューした羊文学のMVはもう削除されていて、いやあ聴ける時に聴いておかなきゃすぐに消えちゃうよねネットのコンテンツはと再認識したんだけれども、そのレビューMVでは笑顔で「嫌い」と連呼することで一旦心にバリケードを作らせる表現をしていたのだが、それとは打って変わってこのStepという曲では、ナチュラルなテイストでスーッと心に染み入りつつも、いちど染み入った心の中で増殖するという、ある意味ウィルスのような破壊力を身につけたような……
 
  (レビュアー:大島栄二)  

 
『春』
 ボーカルのはいじさんが笑顔で「嫌い」というのを連呼する。そんな歌を聴かされて心地良くなる人がいるのだろうか。でも考えてみてくれ。歴史に残る文学作品というのは世の中のありとあらゆるものごとをありのままに見せてくれるものであって、嬉しいとか楽しいとか、いわゆるハッピーエンドばかりでないことは誰だって知っている。正視できない残忍さとか、救い様のない不幸とかが書かれ、それを読むことによって不幸な環境にいない人だって世の中の不幸を……
 
  (レビュアー:大島栄二)