clammbon
 
『タイムライン』
 抽象的な図形が様々に次々と現れては次に移っていく。クラムボン原田の軽やかで芯の強い歌声とシンクロするように流れていく。タイトルのタイムラインとはなんだろうか。今さらだなその質問。人々が携帯電話からスマホに乗り換え、SNSも様々なサービスが提供される。面白がって始めるものの、続かなくてやめる人も。一方でしぶとく続ける人も。見ていると、そこに人の日常が映し出される。日常が映し出されるということは、その人が何を見ているのかが映し出さ……
 
  (レビュアー:大島栄二)  

 
『Lush Life!』
 産業として音楽があって、売れれば続くし売れなければそれまでで。なのに売れなくなっても止められなくて、創造活動を。だからどんどん作って作ってやめればいいのに作り続けて、だって止めるってことは人生を止めるってことだよっていう気持ちはわかるし。それも産業の中でであれば出会うこともなかったはずのものまでネット時代には目に触れる形で存在することを許されて。だから作品が海のように溢れ続けて、その洪水の中で価値のあるものに……
 
  (レビュアー:大島栄二)  

 
『yet』
 クラムボンも20周年だとか。原田郁子の浮遊感ある特徴的な声に癒されるのか癒されないのかが好きか嫌いかの分かれ目なのだろうとずっと思っていた。思っていたということが、いかに彼らの音楽をチェックしてきてこなかったかということの証拠なのだろう。先日リリースされたこの新曲では原田の声さえもサウンド全体の一部に組み込まれたかのような仕上がりになっているし、ここ数年の曲などを聴き返してみると、単に彼女の声だけに頼っているバンドなんかでは……
 
  (レビュアー:大島栄二)