阿部真央
 
『答』
 阿部真央のこの曲を聴いて、これまでの彼女の活動の日々と努力が感じられる。めっちゃ感じられる。バンドサウンドが付随していながらも、それはただの調味料みたいなものでしかなく、デビューアルバムの弾き語り曲で見せていた、彼女の歌への自信のようなものが前面に出てきている。これまでにおそらく多くのミュージシャンやプロデューサーたちと一緒に仕事をしてきただろう。その中で揉まれながらも自分の立ち位置を完全に失うこと無く、むしろいい部分を最大限に……
 
  (レビュアー:大島栄二)  

 
『変わりたい唄』
 阿部真央も来年でもう10周年なのか。デビューアルバム『ふりぃ』が衝撃的で、なんだこの全方位反発ガールはと思った。何がそんなに不満なんだと不思議になるほど不満が詰まっていた。本当は不満などなくコンセプトで不満を演じていたのであれば、それは解る。バレる。だが阿部真央の不満は本当にリアルで、ああ、この人は本当に何かが不満なのだなと理解した。一旦不満のシンガーということでデビューにこぎつければ、それが自分を縛ることになり、以降も……
 
  (レビュアー:大島栄二)  

 
『いつの日も』
 阿部真央は2009年のアルバム『ふりぃ』でデビューし、その荒っぽいサウンドとシャウトにはメジャーのやり方への彼女の激しい抵抗を感じたが、同時にキャニオンがよくこれを許したなと思うような小気味よさがあって、CDショップで数曲試聴した直後にレジに向かったことを今もよく覚えている。そのままでは単なる反抗する自我のままで終わるだろうなとも思ったのだが、セカンドの『ポっぷ』で見事な脱皮を見せた。それは妥協をするというのとはちょっと違った……
 
  (レビュアー:大島栄二)