Lucky Kilimanjaro
 
『ひとりの夜を抜け』
 Lucky Kilimanjaroの「ひとりの夜を抜け」では深夜1時であろうとも構わずにどんどんずんずん突き進む。進む姿がMVでは徒歩だ。徒歩でズンズン進む。無論それは比喩的な映像描写であって、ひとりの夜という言葉だって比喩的な描写なのだが、そこに含有される閉塞感の打開への意志が強く打ち出されていて心地良い。時代なんてものを感じたり考えたりすると、特に不況の時には前進することがバカだと罵られたりもするし、そのことで怖じ気づく……
 
  (レビュアー:大島栄二)  

 
『Favorite Fantasy』
 とても軽快なポップミュージック。そしてどことなく懐かしい印象。こういうのを、シティポップと呼んでいいのだろうか、よくわからない。例えば冒頭から「青山通りを抜け」や「ロンリーボーイ/ロンリーガール」「魔法をかけ」といったフレーズが散りばめられていて、それが70年代後半から80年代にかけてのポップス、例えばEPOあたりの雰囲気を感じさせるのだ。歌唱法、というかひとつひとつのフレーズの終わりを伸ばさずに切る歌い方も、あの頃特有のリズムを……
 
  (レビュアー:大島栄二)