ユタ州
 
『虎と太陽』
 この曲で彼らは歌っている。「欲しかったものが何なのか今ではもう判らないまま、まだそれでも探している」と。「一体いつからいつまでが今日なのかも判らないまま」「待った無しのリセット無しの1日が始まる」と。底抜けなロックで歌われる彼らのストレートさ故に、忙しく生きている人にはどこか他人事のように思われるかもしれないが、言葉をひとつひとつかみしめるとその忙しい人にこそ届くべきメッセージのように思えてくる。SNSでかろうじて結びついている……
 
  (レビュアー:大島栄二)  

 
『27さい』
 昔通った学校に再び訪れてみるとあまりのステキ校舎に変貌してて驚くことがある。こんなところで泥臭い悩みを抱えることは出来るのか、体育館の裏に来いって不良先輩に呼び出されても、誰の目も届かない場所でボコボコにされるという恐怖に恐れおののくことも出来ないのではないかと、心配になる。ライブハウスも同じで、どういうわけだか建築技術が発達したのか、それともステキテナントにしないと入居してもらえないからと施主がステキビルを作ってしまうのか……
 
  (レビュアー:大島栄二)