雨のパレード
 
『Ahead Ahead』
 この1月にベーシストが脱退し、この楽曲を含むアルバムが彼らの新たな章のスタートとなった。タイトルの「AHEAD AHEAD」というのも過去を振り返らないという意志の現れなのだろうか。バンドの体制が変わるとき、人だから当然いろいろな感情が渦巻くし、その中から再スタートする時に新たな決意のようなものを作品に込めたくなるのはある意味当然のことだろう。そのことを加味して、作品とバンドの意志のようなものを感じ取ることはリスナーの自由だし……
 
  (レビュアー:大島栄二)  

 
『ペトリコール』
 雨のパレードは4人からなるバンド編成ながら、“創作人”としてペインター、ファッション・デザイナー、ジュエリー・デザイナーの方などを巻き込み、総合アート・プロジェクトとしての形態を進めている。このMVでも、どこかの美術館のインスタレーション作品として使われてもおかしくないとも思うものの、音楽単体で“独立”するというのではなく、やはり、複合的に様々な分野の少なくない人が関わり、知恵を貸し合い、成立してゆく“何か”になりつつあるのかも……
 
  (レビュアー:松浦 達(まつうら さとる))