緑黄色社会
 
『幸せ』
 久しぶりに彼らのMVをちゃんと見て、この成長ぶりはいったい何なんだろうと圧倒される。売れるというのは、音楽的な実力だけで達成出来る結果ではない。音楽以外の様々な些細なことをいかに努力するのか工夫するのかが要求されるサバイバルゲームだ。売れやしないと思いながらも精一杯真面目に取り組む。だがそうやって音楽以外の些細なことにのめり込んでばかりいたら、肝心な音楽が疎かになる。発声や演奏能力を日々磨き、曲を作るクリエイティブ作業にも……
 
  (レビュアー:大島栄二)  

 
『またね』
 焦点を絞るというのは意外に難しい。バンドメンバーが4人いれば4つの個性も価値観も自己主張もあるわけで、それを交通整理して誰かの欲求を抑えてまで誰かを前に前にと押し出すよりは、1/4ずつの想いをちょっとずつ小出しに民主的に作品を作った方が楽だし楽しい。だがそれはスタジオの中だけの身内にとっての楽であって、音楽を共有するはずの聴衆にとっての楽しさではない。
 この緑黄色社会というバンドはかつてバンドメンバーが全員映った白黒のビデオを……
 
  (レビュアー:大島栄二)