A(c)『雪跡』 Next Plus Song三ヶ尻愛美『いいよ』
馬喰町バンド
『ヒトのつづき』
 先ごろ、やしきたかじんという歌手、タレントが亡くなったが、取り扱われ方や簡単にいえば、「関西の~」という冠詞がついていた。しかし、彼は、東京に対しての反骨心を持っていたが、精緻にはつねに脱・中心的、周縁的存在であろうとしたのだという気がする。たとえば、沖縄に行けば、“沖縄の唄”としてよくTHE BOOMの「島唄」が流れる。この曲は勿論、宮沢和史氏が外側から沖縄という内側を書いた曲だが、それをエドワード・サイード的にオリエンタリズム、という批判を置くには難しい時代にもなってきているとも思う。この馬喰町バンドの音楽を聴いていると、近代以降の柳田國男の日本民俗性と、新世代としての貪欲な音楽探求心の拡がりと周縁的な佇まいが祭祀性と脱・中心性を結い、弾みが心地良く、軽やかに心に響く。以前に紹介したアラゲホンジといい、こういったある程度、カスタマイズされたポピュラー・ミュージックとは別文法を持ったバンドが出てくるというのも何だか嬉しい。
(2014.2.17) (レビュアー:松浦 達(まつうら さとる))
 


   
         
 


 
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