赤色のグリッター『あのね、きいて?』 Next Plus Song栗コーダーカルテット『うれしい知らせ』

ふらり
『サウスポイント』

 甲高いようなハスキーのようなファルセットを披露するハイトーンの女性ボーカルが紡いでいる歌の世界は、とても切なく淡い想い。それを補うよう絡んでくる男性ボーカルが、そんなに絶叫していないにもかかわらず、心の叫びを見事に表現しているのは、この声質のコントラストの故なのでしょうか。状況を冷静に取り繕うように語る女性の声と、その内面をスパークさせるように在る男性の声。この組合せが作品としても良く出来ているなあと感心したりします。歌われる物語は平成の木綿のハンカチーフなんじゃないかなあと、それはいつの時代にもある切ない別れの現実の物語なんだなあと、そう思います。「キミとキミの大切な人たちがいつも幸せでありますように」というその大切な人の中に、自分はきっと入っていないのだろうという哀しみがとてもリアルで。
(2014.5.7) (レビュアー:大島栄二)
 


   
         
 


 
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