Vayone『Tranquilo』 Next Plus Songsukida dramas『Kansas』

今西淳
『ハッピーエンドが遠すぎて』

 アコースティックギターによる弾き語りというのは、アカペラを例外とすれば最小単位の音楽表現だろう。弾き語りシンガーがCDを作ろうとする場合、往々にしていつものライブとは違ったバンドサウンドを取り入れようとする。話を聞いてみるとその方がバリエーションが出るからだと。でもそう考えるということが、自分の日々の弾き語りを完全な表現だと感じずに物足りなく思っている証拠でもあるのだろう。今西淳の弾き語りを聴いていると、これで完成していると素直に思える。それは彼が奏法を極めている故なのだろうが、バンドの亡霊にとらわれることなく、ギターで作曲する時に曲が素直に心とセンスから湧き出てくるからなのではないかと勝手に想像している。このビデオが3年前のアップ映像で、HPを見てもDISC情報が見当たらない。ステージでただ歌って作品が完結し、スタジオでの録音などは異物なのかもしれない。それならそれでまったくいいし、仮にCDをリリースするとしても、どうかこの弾き語りスタイルで貫いて欲しいと、この完結した音を聴かせて欲しいと、これまた勝手に期待してしまう。
(2014.8.30) (レビュアー:大島栄二)
 


   
         
 


 
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