Nolph Lauren『Purple Cow』 Next Plus Songfula『apologyman』

syrup16g
『生きているよりマシさ』

 負性的な何かを見つめ続けながらも、精緻な表現力と独自の訴求性に連関するようにして、彼らの再活動を巡っての周囲の熱量は高い。リアルタイムで音源やライヴを観ていた筆者としては、不世出の、というよりも、作品のリリース・ペースが早かった時期と、ライヴで未発表の新曲をやり続ける時期、2008年3月の武道館でのまるで、葬礼のような雰囲気まで含めて、syrup16gには一度、触れると、“入りこませる何か”があるのだろうとも思ったりする。昨年に、五十嵐隆名義のライヴが行なわれ、その流れのままといおうか、今年に再結成と新しいアルバム、ライヴまで、一気に時計が動いた。新作の『Hurt』の全容の是非に関しては、ここで筆者は触れるべきではないと思っているが、この「生きているよりマシさ」のMVでは不変の空気感と、初期のオアシスを思わせるリフと、やや分厚く固められたサウンドに、暗がり、ぼやけた東京タワーまで、見事にsyrup16gでしかないが、やはり、“誤差”もある。現今では、枚数の度合いや意味は違えども、オリコンのウィークリー・ランキングで『Hurt』が8位に入ったということも含め、レトロスペクティヴな側面だけではなく、リアルに時代と刺し違えることが出来なかったバンドがこの不穏な時代と、奇妙な時間差でもう一度、再追認されているとしたならば、この先の絵図が既に気になる。
(2014.10.23) (レビュアー:松浦 達(まつうら さとる))
 


   
         
 


 
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