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OK Go
『I Won't Let You Down』

 ワールドワイドなピタゴラスイッチと僕が勝手に呼んでいるOK Goの新作が話題とか。話題ならばと見てみるとピタゴラスイッチ的な手法とはまた違ったユニークなもので、ビデオから話題を集めて人気者という方程式がまた加速するんだろうなあと再認識。で、こういうのを無名のインディーズバンドも真似ればいいじゃんって思うんだけれども、そう簡単に真似られるものではない。準備が膨大だし、今回の『I Won't Let You Down』では膨大な準備だけでなく彼らが乗っている何かや、映像を撮りながら縦横無尽に動き回るカメラの何かなどはそうそう入手出来るものではない。だから「予算のないバンドにはこんなの無理だよ〜」と思うのか、それとも「出来る範囲でアイディア出そうよ」と思うのかによって未来は劇的に変わるのだろう。OK Goが最初からこんなの作れたのかというとそうではないはずで、出来る範囲の出来そうもないことにトライして実現していく積み重ねが今ここに至っている。エンターテインメントというのはすべてそういうもので、誰かがどこかでやっていたよなこれというものを見せることに何の面白みもなくて、だからこんなの見たことも聴いたこともないというものをいかにして生み出すのか、見せるのかを考えていくことが、結局はファンの支持を生む。4年前の彼らのビデオではスピードの調整で動きを作っていたわけだが、1曲の中で陽が暮れて朝がやってくる。その間メンバーはパフォーマンスを続けている。はっきり言って根気と普通のビデオカメラがあれば誰だって作れる。でも誰もやらない。そこにチャンスはあるんだって、改めて感じさせてくれる、そんな秀作だとやっぱり思う。しかし、ビデオを見たいだけでなく彼らの音楽を音のみで聴いて楽しいと思うファンはどのくらいいるんだろうか?そんな疑問は湧くけれども、誰かの模倣しかやってないバンドの曲を聴きたいと思う人より圧倒的に多いのは確かだ。
(2014.10.29) (レビュアー:大島栄二)
 


   
         
 


 
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