peachonfuse『Living』 Next Plus Song庄司紗千『3センチの中央線』

某人間
『やさしくできない』

 歌われている詞は実に人間っぽい心情の海なのだけれども、音の響きも歌声もまるで無機質な印象。心の内側を見せずに表面だけでつながっている肩書きだけの家族のような冷たい空気がサウンド全体で表現されているかのよう。最近はエレクトロニカだったりボカロだったりと人間的ではない機器を駆使しては人間を感じさせるような表現を追求しているクリエイターは多いのだが、このバンドは構成する音自体はそういうものではなく一般的なバンドサウンド。だが聴こえてくる響きからは人間が排除されているような、なんとももの悲しく寂しい温度が感じられてきて不思議だ。
(2014.11.29) (レビュアー:大島栄二)
 


   
         
 


 
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