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浅川マキ
『夜が明けたら』

 ゴールデンウイークがふわふわ近づいてくるとhideと清志郎のことを思い出しちゃうみたいに、年末がピューピューと近づいてくるとジョンレノンと浅川マキを思い出します。2枚組CDベスト盤『DARKNESS IV』には「どんな死に方がいい?」という質問に浅川マキが「寝たまま死にたいね。どこでもいいそれはどこでも」と答える会話が収録されててドキッとした。寝れる処こそ故郷なのだろう。訃報が走った日は、阿佐ヶ谷のジャズバーでアナログ盤『MAKI 浅川マキの世界』などをかけてもらい「たとえて言うならマイ・マザーが逝った!とかそんな感じ」とか話していた。
 1970年前後が描かれる連合赤軍事件の映画「光の雨」の喫茶店シーンに流れるBGMに『夜が開けたら』が使われていて、いろいろ合点がいった。きっと私の誕生日にも、どこかの喫茶店やバーで浅川マキがかかっていたはずなのだと思った。海辺で産まれた赤ん坊が聞いた波の音と同じように、私は都会で産まれて彼女の歌声を聴いていたのだ。

 曲は『不幸せという名の猫』が良いのですが、YouTubeには無いというか、そもそもPVが存在しないというか、「お前らの違法アップロード能力はそんなもんかっ!」って、誰に対してか分からない捨て台詞を残しつつ。
(2014.12.16) (レビュアー:北沢東京)
 


   
         
 


 
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