湯川潮音『家族のうた』 Next Plus SongSeu Jorge『Japonesa』

Julian Casablancas+The Voidz
『Where No Eagles Fly』

 2014年度わが心のベスト変態ソングは何か。本当にこのようなカテゴリーがあるかどうかはともかく、真剣に考えてみると、Arcaは有力、Ariel Pinkもなかなかで、国内ではくるりの「Liberty & Gravity」もやばかった、と候補はいくつか挙げられる。中でもJulian Casablancas + The Voidzの「Where No Eagles Fly」を一番に推したい。ダサいのにかっこいい、最低なのに最高、引用だらけなのにシンプル、と思える絶妙なバランス。それが成り立つのは揺るぎないポップネスが貫かれているからこそだ。イントロを聴いた瞬間に抱く、古っ! でもかっこいい! という感覚は、The Strokesの出現時さえ思い起こさせる。もちろん、アプローチはまるで違うし、そもそもこのPVの酷さは何周回ったところで、曲の変態ぶりにますます拍車をかけるだけだ。それでもここまで変質的に突き詰めた両義性は「ロックンロールリバイバル」リバイバルを呼び起こす種火になるかも、と期待してしまうくらい、一歩も二歩も時代の先に到達している。
(2015.2.11) (レビュアー:夜鍋太郎)
 


   
         
 


 
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