ココニカカル『生きてる』 Next Plus SongSHEENA & THE ROKKETS『You May Dream』

小坂明子
『あなた』

 1973年の世界歌謡祭グランプリのこの曲、もう41年前の大ヒット曲。ということは僕も10歳未満なのにこの曲は鮮明に覚えている。今も歌われ続けているこの名曲を思うと、とにかく寿命が短い昨今の音楽はいったい何なんだろうかと考えざるを得ない。ではこの曲が圧倒的に優れていて、昨今の曲が圧倒的に劣っているのかというと、こうして当時の動画を見直してみれば、そんなことはないということもよくわかる。10歳未満だとはいえ同時代に生きていた僕のような人間が感じるノスタルジーを切り離して鑑賞すれば、音程が安定していないところもあるし、歌も単純だ。今の若いバンドたちの中にこれよりももっと感動的な表現をやっているのもたくさんいる。だからといってこの曲を貶しているつもりはまったくなくて、例えていうならば今から思えばピンクレディーの踊りは実に単純な動きでしかなかったが、当時の常識からはショッキングなまでの大胆なアクションだったわけで、今のアイドルたちがその数倍数十倍も激しい踊りで歌っても革命的という意味ではピンクレディーのそれとは比較にならない。同様に小坂明子のこの歌が当時の歌謡世界でどのくらいショッキングな存在だったのかということを抜きに、技術的ななにかで対等に比較するということには全く意味がないのだろう。
 それにしても情報を調べていたら小坂明子さんのHPもしっかりとあり、Twitterアカウントもあって驚いた。HPに「音楽活動40年」とあって、ライブ活動も行っている。いやあすみません。この曲しか知らなかったので一発屋だったのかと思い込んでいた。ももクロとコラボしてたりで、いやあ本当に驚いた。
(2015.2.14) (レビュアー:大島栄二)
 


   
         
 


 
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