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篠原ともえ
『クルクルミラクル』

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 売れるためにキャラ設定をしてアピールしなきゃという考えと、いや、自分の中から自然に沸き出してくる個性が大事なのだからそれを大切にしようという考えがあって、プロデュースとは何なのかを考える時にその両者の間で悩むことがしばしばだ。なぜ悩むのかというと自然に沸き出してきたものが一生変わらないのかというとそういうこともないし、また自然に沸き出したとその時点で感じたことが後になってやっぱり違ってたと気づくこともあって、所詮長続きしないからである。しかしそんなことはファンからすれば勝手な理屈に過ぎず、こういうものが好きという気持ちを投影する対象としてファンになったのだから、途中で急に方向転換されてもついていけない。やはり当初のキャラをいかに長く持続させられるかがファンへの最大の感謝の表し方なのではないかと思っている。だがそういうことをずっと続けられる人は本当に少ない。特にこういう特異なキャラを最初に打ち出すと、ほとんどの場合途中から「実はナチュラルな自分も出していくべき」という感じになっていく。まあそれは単にキャラを維持するのがつらくなっただけなのだろうが、そういう意味では、こうやってキャラをずっと維持し続けている篠原ともえはエラい。この種のエラさではデーモン小暮と双璧だ。このキャラは売れるためにキャラ設定をしたものなのか、それとも自然に沸き出してきた個性なのかという問いは、こうして一生賭けて続けることによってもうどうでもいい些末なことになっている。長く続けるうちに、それが自分の一部になっていく。それこそが極めるということなのではないだろうか。そんな篠原ともえももう20周年を迎えたそうだ。僕らも歳をとるはずだまったく…。
(2015.8.29) (レビュアー:大島栄二)
 


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