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THE Ruee
『I am Sick』

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 バンドの特徴が歌に求められるのはいいのだが、それならば別にロックでなくとも歌謡曲でよかろうというケースが多々ある。それは要するにロックである必然性がサウンドに存在していないということなのだろう。ではバンドである必然性のあるロックサウンドとは一体何なんだと考え始めてみても、明確な答えなどは絶対に出てこない。そこには歌詞の内容やメンバーの生き様なども絡んでくることだからである。しかし、聴いてみたらこりゃロックだよなロック以外の何物でもないよなという音は確かにある。確実に存在する。THE Rueeというバンドはギターボーカルとドラムという2人組で、聴けばすぐにこれがロックだということが判る。何故なのかと問われても困るが、でも、聴いたら解るでしょう。とにかく聴けというのはレビューなどを書いている者の敗北宣言であることは重々承知しているものの、でもやはり、聴くことが理解への最短コースである、そんな音楽もサウンドもあるんだなあというのは、やはり聴けば解ってもらえるのだろう。個人的には、ギターの音がイイなと思う。爆裂サウンドは往々にして歪ませてナンボみたいなところに行きがちで、結果としてどんなフレーズを弾いているのかもわからない感じになってしまうことが多い。だがこのギターは歪みつつもひとつひとつの音のつぶが整っていて、輝いていて、魅力的だ。こういうのを、存在感のあるギターというのだろう。こういうギターを鳴らしているギタリストは本当に少ない。このギターの手数も半端なく多いし、ドラムも数限りなく叩いて音を詰め込んでいる。2人バンドだから限られた楽器で「物足りなさ」を払拭しようと最大限できることをやろうとしているのだろう。あの音が無いと不安、この楽器がなければライブもできないと弱音を吐くバンドも少なくない中、この「できることを全部やろう」という感じでメロディに音で突っ込んでいく感じも、ロックだなあと感じずにはいられない。いや、良いですこれ。すごく良いなと思います。
(2016.1.28) (レビュアー:大島栄二)
 


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