Club cheval『Young Rich And Radical』 Next Plus Song杏窪彌『ジャイアントパンダにのってみたい』

ウィリアムス浩子
『Fly Me to the Moon』

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 あまりにも有名な曲なので、サビの部分を耳にすればなにがしかの映像が頭に浮かぶ人も多いだろう。ジャズシンガーというのはロックバンドとは違ってオリジナルソングだけで勝負することは珍しく、だからスタンダードナンバーを歌ってナンボ。ただただコピーするのでは個性を出せないので自分ならではの歌い方を追求して勝負する。そのうちにとっても多くの人が歌っちゃうこういうドスタンダードナンバーに至っては誰の歌い方がスタンダードなのかなんて判らなくなって、ああ、あの人の歌ってこうだよなあというのが、オリジナルソングでなくとも理解できるので、ある意味本当に歌で勝負というのはこういう世界にこそあるのではないだろうかという気がする。ウイリアム浩子は「会社員を経て語学留学し、帰国後にジャズシンガーとして活動を始める」とウィキペディアに書いてある。それだけ見ると異色の経歴だと思ってしまいがちだが、今活動している若手バンドのメンバーほとんどがなにかしらの仕事をしながらパフォーマンスを始め、続けている。最初は全員が、そして1年経ち2年経ってもほとんどが音楽だけで食べていくことは難しい。そんな中でどれだけ平気な顔をして音楽を続けていけるのかを、誰もが競い、戦っている。格闘を続けていける人だけが、アーチストとして残っていくのだろうと思う。彼女が音楽だけで生きているのかどうか、そんなことは基本的にどうでもよくて、この歌声と表現力が今ここにあるということだけが、それがいつまで続くのかということだけが真実で。この名曲を通して伝わる彼女独自の歌表現が心に響くのか、響いたとしたなら他の曲も買って聴きたいと思うのかどうかだけが大事なのであって。
(2016.6.16) (レビュアー:大島栄二)
 


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