熊木杏里『飾りのない明日』 Next Plus SongTomggg『Future Hippie』

ラッキーオールドサン
『ゴーギャン』

LINEで送る
 日本で解釈される“ヒッピーイズム”はどうにも型枠の中で解消されてしまったり、地域振興の一環で援用されてしまうところがあるが、こういう音楽がある場所でこれから鳴らされることが増えるだろうという意味文脈で、いつかのノマドロジーのような概念が聴き手や視聴者に問いかけるのではないだろうか。フジロック・フェスティバルでのフィールド・オブ・ヘヴンというステージで、ぐにゃぐにゃのサイケデリアで一時間弱、見事にトリップさせてくれたゆらゆら帝国を想い出すように、彼らのようなバンドの端整さの日陰で、名詞や動詞をうまく抜き取るようで、テンポの気持ちよさのままに触れていると、風を待つろまん、サニーデイ・サービスやネオ・フォーク勢、シャムキャッツやミツメなどの音の情緒と共振を受けている感じもありながら、どこか、彼らもネジが外れている。

 人は毎日、動いている訳ではなく、「開店休業」のときもある。そして、こんなフレーズが妙に染みる。程よいテンポで明日が在れば、と想うように。

   生きることは絶やさない灯
   歌うことは花を飾るように
       (「ゴーギャン」)
(2016.6.20) (レビュアー:松浦 達(まつうら さとる))
 


  ARTIST INFOMATION →
           
 


 
 このレビューは、公開されている音源や映像を当サイトが独自に視聴し作成しているものです。アーチストの確認を受けているものではありませんので、予めご了承ください。万一アーチスト本人がご覧になり、表現などについて問題があると思われる場合は、当サイトインフォメーション宛てにメールをいただければ、修正及び削除など対応いたします。