SHE IS SUMMER『とびきりのおしゃれして別れ話を』 Next Plus Songおぐまゆき『音楽』

満島ひかり
『ミルク32』
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　この人は本職の演技の方でも高い評価を集めてて、こういう歌の方面でもCMなどでいろいろな人の歌を歌っている。で、いずれも上手い。上手いなんて表現が適切かというと多分適切ではなくて、もはや歌そのものになりきっているという印象だ。だから心に響いてくるのだろう。最近無名のバンドが有名な歌をカバーしてYouTubeに上げるというのが増えている。無名バンドがオリジナルを歌ってもまったく検索にひっかからないけれども、有名な歌を歌って公開しておくと、その歌を聴いた人の画面の隣に表示されたりして、聴いてもらえる機会が増えるから。僕も仕事柄そういうのをよく見るけれども、カバーとコピーは違うんだよということをあえて言っておきたい。カバーしたつもりがコピーになってしまっていることがよくあって、何故そうなるのかというと、自分のスタイルというものがまだ存在していないからである。そういうバンドはオリジナルをやっても○○風な、ものまねでもやってるのかというテイストでしかなく、だから聴く人の心に届かないし、ファンも増えない。検索にひっかかるためにカバーをやるのは良いが、それ以前に自分のスタイルを確立する方が先じゃないかなあと思うことはしばしば。そういう意味でも、バンドは一種のトレーニングとしてもカバーに取り組んでみるといい。公開するかどうかはまた別の話として。で、満島ひかり。この人はこの人の歌のスタイルがあるとかないとかではなく、歌の世界に憑依していくような印象で、無定形な表現の凄みがある。別格だ。とはいえ彼女には歌手時代というものもあって、それが売れたのかというと売れてないから今は女優なのであって、人生って才能があれば成功するとは限らないというのが面白いところだよなあとつくづく思う。ま、Folder5に彼女の奇才を表現する隙間があったのかというと難しいところではあるけど。
（※2018.1.31時点で動画が削除されているのを確認しました。レビュー文面のみ残しておきます）
(2016.9.10) (レビュアー：大島栄二)
 

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