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ハッピーエンド
『恋』

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 バンドマンが白の背景をバックに演奏をするMV。だがそこは白い壁紙の白いフローリングの部屋で、部屋の角や床との境目がはっきりと見える。プロの場合大きなスタジオを使ったりメチャ広い紙のロールをひろげて撮影したりするわけで、そういうやり方では絶対に出てこない境目が出てくるあたりがアマチュア制作のMVだなあと思う。いやいやアマチュアにプロのクオリティを求めるなよ、壁の境目の陰影とかどうでもいいだろと言われるのは判っているけれど、眼というのはそういうのを容赦なく見てしまうし、見えたら無視も出来ないのだよなあ。だがそれを致命的な欠点と思うようなこともしない。ただ演奏だけをしているという工夫の無いMVを制作するのとはまったく違って、女優さん(?)が登場してなにがしかのドラマを想像させたり、歌詞字幕とLINEの吹き出しを表示させたり、その流れでメンバーが喜んで踊りだしたり他の楽器を演奏したりと演出に凝っていて、そういうのは見てて単純に面白い。アイディアが無いプロジェクトはいくら予算が付いても面白くはなっていかないものだが、予算は無いけどアイディアはあるというのは、ちょっとだけ売れれば次に少しだけ予算が増え、増えた予算でまた面白いものが生まれて、徐々に完成度が上がっていく。当然、壁の境目などは簡単に消えていくのだ。この新潟のバンドが見せてくれる手作り感満載のMVにはそんな完成度を上げていく一方のスパイラルの、まさにスタート地点を目撃するような初々しさとほのぼの感がある。もちろん初々しさとほのぼの感だけで絶対成功するなんて簡単な話ではないが、未来への希望に溢れている。歌詞が「そこから何が見える?」で終わっていて、やがてくる未来をリスナーもついつい想像してみたりする気になる。前向きな曲は、いいな。そう元気な気分にさせてくれる。
(2016.10.28) (レビュアー:大島栄二)
 


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