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メメタァ
『僕がメガネをとったら』

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 ああ、これはアンサーソングだ。いや多分違うのだけれど。昨年3月にこのメメタァの『ハイライト』という曲のレビューを書いて、メガネボーカル西沢くんのことを「平成の大江千里」と呼んでしまった。別に僕だけじゃなくてみんなが言ってるのだろうし、言われて、言われて、言われ続けてこの歌。僕のレビューへのアンサーソングというわけでは(当然)なくて、彼らに「メガネのバンド」と言い続けてきた多くの人たちに向けた、やはりアンサーソングなのかもしれない、これは。たしかにメガネは顔の一部なのかもしれないし、冒頭イントロで西沢くんがメガネを外すとまったく違った人のような印象になる。そこからたくさんの人たちがメガネを外す映像が続いていくのだが、眺めていると「あれ、この人メガネ外してもほとんど変わらないなあ」という人が何人も出てくる。そういう人はメガネフレームの存在感が薄いのか、それとも素顔の存在感が濃いのか。僕もメガネ生活30年以上だけれども、僕の場合はどうなんだろうか。まあそんなことはともかく、メガネのバンドということであっても他のバンドとの差別化があるということは悪いことではないし、それがあるからひっかかって聴いてみるというケースだって少なくないはずで、だからメガネであれなんであれ、何かキャッチフレーズ的な特徴があるというのはバンドに限らず大きな武器。ただ聴いてみた時の音楽が特徴も良さもない凡庸なものであれば、せっかく聴いてもらったのにそこで終わる。メメタァが「僕がメガネを取っても決して消えることのない音楽を」と力強く歌うことの意味はそういうことだ。昨年レビューの『ハイライト』は強いメッセージを発信するロックサウンドだったが、この曲はさほど重々しさを持たないテイストで、サウンド自体はしっかりとバンド編成なのに、力強いファンクなギターも鳴っているのに、まるでウクレレ弾き語りでもあるかのような飄々としたイメージ。面白いなあと思う。楽曲のテーマ性によって同じような音が違ったように聴こえるということなのか。それも人の顔とメガネとの関係性と似て、楽曲自体の濃さと薄さが、聴こえ方に大きく影響しているということなのかもしれない。
(2018.7.3) (レビュアー:大島栄二)
 


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