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青木まりこ現象
『レジの唄』

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 このやる気があるのか無いのかよくわからないテンションで進む、いや突き進む。演奏はサウンドはプログレというか、いやそんなことを言うとすべてのプログレバンドを敵にまわしそうだけれども、サウンドだけを聴いていれば意外と超絶技巧。その技巧をこの曲につぎ込むのは壮大な無駄なんじゃないのかという気がしないでもないけれど、じゃあどんな曲につぎ込めば有益なのかと考えてみる。イケメンメンバーのバンドが眉間に皺を寄せながら人生とは社会とは正義とは愛とはと問いかける曲になら超絶技巧は意味を成すのか。いや、そんなことはないよね。そうやってわかりやすいように正義な感じの楽曲を作ってプロモーションかけて売れてウハウハ(いや、最近はそんなに簡単ではないけれどね)というものにこそ楽器演奏の技巧は費やされるべきだなんて、考えただけで退屈な話で、だからこんな風に意味も意義もあったもんじゃない曲にそれが使われているというのが、実は贅沢で素敵なことじゃないだろうか。サビの「レジピッピッピッピ、ピーピーピー」って、ああ、なんと無駄な響きなんだろう。音楽史上最高に断トツに無駄で素敵なフレーズじゃないだろうか(いや、言い過ぎですけどね)。この「ピーピーピー」のあと、ほんのちょっと間があって「鳴るよ」とか「鳴るね」というフレーズがまた良い。その「鳴るよ」に入るタイミングが微妙に遅れているのが本当に良い。買い忘れたものを買いにスーパーに戻って一からレジに並ぶという行為の「あ〜あ」という虚しさをこのタイミングのズレが体現している。言い過ぎましたね、スミマセン。
 バンド名の青木まりこ現象というのは、「書店に足を運んだ際に突如こみあげる便意」のこと。一部では有名な話だけれども知らない人はまったく知らないはずなので、興味あったらググってください。そういう言葉をバンド名にしているので、わかっている人はバンド名を聞いただけでニヤリとするのかもしれない。
(2018.7.10) (レビュアー:大島栄二)
 


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