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フレンズ
『常夏ヴァカンス』

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 暑い。暑い。京都はもう10日連続で38度超えだ。今日も明日も38度を超えるだろう。そんな時に「常夏ヴァカンス」というタイトルの曲を聴いているなんてどういう自虐的レビューなのだろうか。歌詞も「冒頭から軽く炎天下超えて思考回路意味ないね〜」だ。本当だ。思考回路なんてまったく機能しない真夏日。でも、音楽を聴くのは思考回路とは別のものだね。この曲、とても良い。全体的にマイナーなコード進行というかメロディ進行というか、哀しみに溢れた雰囲気が耳に身体に絡みつくように進展していくのにそれが甘ったるい日焼け止めの香りが漂う夜のビーチの寂しさを思い起させるのに、ところどころに散りばめられたギミックというかちょっとしたエッセンスがリスナーの感情を完全マイナーに傾くのを防いでくれる。「ト・コ・ナ・ツ!」「ヴァ・カ・ン・ス!」のあたりなどがそうだ。旧い歌によく似たフレーズがあったなと思うがもう思い出せない。その旧い歌にマイナーとは真逆なイメージがあって、だからこの曲がこの部分で一気に楽しげな雰囲気に揺り戻させるのだろうか。ボーカルのおかもとえみが終始笑顔で歌い踊る。かなり練られた振りできっちりと踊る。Keyのひろせひろせや赤信号小宮に似ているギターの三浦太郎がまったく別の声質でカットインしてくる。トータル3分半弱のサイズなのに短いなんてまったく思わないのは、めまぐるしい展開の速さで要素てんこ盛りになっているからなのだろう。暑いこの夏、この曲は何度でも繰り返して聴きたい。8月のアルバムリリースが今から待ち遠しい。
(2018.7.24) (レビュアー:大島栄二)
 


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