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おかありな
『スーサイドランデヴー』

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 2018年の最後に。今年はmusiplとしてはおかありなの年でした。1月の終わり頃にTwitterの過去レビューツイートをきっかけに盛上がって、2月〜4月に少々組織票のようではあったものの怒濤のアクセスが集まってもう大変。組織票というとなにかマイナスのイメージを持つ人もいるかもしれないけれど、別に非合法結社なんかじゃないわけで、それだけ熱心に応援しているファンがいるということの証であって、とても素晴らしいことだと思うわけです。だってそうでしょう、すべてのアーチストはファンがライブに来てくれたり音源を買ってくれたりすることによって活動を維持できるわけで、そういうのはお金がかかるわけですよ。それに対してmusiplにアクセスするのなんて無料。無料でランキングに入るのだから、応援していると自負するファンはマメにアクセスして応援すべきだし、そのくらいもやらない人は、有料のチケットや音源を買ったりもきっとしないのだと思います。まあmusiplのアクセスランキングで上位に入ることにどのくらいの意味があるのかといわれればたいして無いのかもしれませんけど、ここで応援しようとしない人は、他のどこでだってそんなに応援しようとしないのだから、結局は同じことで、小さな一歩の応援をしてくれる熱心なファンがどのくらいいるのかが、結局はそのアーチストの未来をちょっとずつ変えていくのだろうと思います。
 前置きが長くなりましたが、このMV、いいですね。おかありなという人は三重県名張でギター弾き語りのアーチスト活動を始め、関西でライブ活動を重ねた後上京し、今に至ります。活動の過程で会社を作って社長になったり、クラウドファンディングで活動資金を募ったりと、なかなかユニークな行動をとったりしてて。ユニークな行動は音楽表現にも現れて、上京する直前くらいの作品には少々アバンギャルドというか、少々壊れることの美みたいなものを追求しているのかなと感じられるような色が見られたものです。でも、2014年に最初にレビューをした三重県時代の『スカートの中』に結実していた素朴なキュートさこそ彼女の神髄であり、魅力の原点であり中心だと思っていた心情からすると、この『スーサイドランデヴー』はその原点に回帰したかのようなピュアさでとても好感持てます。歌詞には多少の奇抜さを盛り込もうという意思も感じられるものの、全体としてはその奇抜なモチーフの中に込められたピュアさの方がずいぶん勝っていて、上京によって生まれた変化もようやく収まり、本来の表現に邁進し始めた証を見るような気がします。
(2018.12.31) (レビュアー:大島栄二)
 


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