ゲスの極み乙女。『だけど僕は』 Next Plus SongVampire Weekend『120 Minutes of Harmony Hall Guitars』

カリオンズ
『黄昏る』

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 僕らの日々の活動はすべて幸せな気持ちを探すためにある。本当に幸せかどうかなんてどうでもよくて、幸せな気持ちになれるいろいろなものを探す。幸せな気持ちというのは儚いもので、見つけたと思ったら賞味期限みたいなものがあって、どんなに大切にしててもすぐに風化して。だから次々と探し続けなきゃいけないのが哀しいところで、まあだから逆に毎日飽きずに生きていられるのかもしれません。
 音楽だってそうで、それを聴いたら幸せな気持ちになれる。そういう音楽を僕は聴きたい。あなたもきっとそうでしょう。人によって幸せの形も意味も違うので、悲しい気分がその時の幸せという人もいれば、楽しく明るくなれるのが幸せな人もいて。だから自分だけの幸せな音楽というのはあって、他人によくても自分にも良いとは限らない。それでも多くの人が幸せになっている音楽には自分にもフィットする可能性は高いし、そもそもそんなにいろいろ探してるヒマなんて無いよという忙しい人たちばかりだから、チャートみたいなものもあればヒット曲というものもあって、それを頼りにまずは音楽の海に乗り出していけばいいのだけれど、そういった有名どころばかりを聴いていると、そのうちに自分がなんでその音楽で幸せになってるのかも判らずじまいになるし、そもそも自分にとっての幸せって何なんだというところから疑わしくなる。このmusiplだってチャートやヒット曲とは違った音楽との出会いの場をと思ってやってるんだけれど、それにしたって僕の幸せの音楽とあなたの幸せの音楽はそもそも違うのだから、やっぱり参考にしたところでそれは所詮参考でしかない。
 でもね、僕はこの、出会った時点で再生回数が1200回にも届いていないこの曲を聴いた時に、ああ、この曲に出会って今日は幸せだったなあと、そう思った訳です。そういう日は、やっぱり僕の人生をちょっとだけ有意義にしてくれる。なのでみんなにも「ちょっとちょっと、だまされたと思ってこの歌聴いてみなよ、と言いたくなる。そうしてだまされたと思って聴いてみて、こいつはこの曲のなにがそんなに幸せだと思ったんだろうかということを想像してみてはどうだろうか。何か糸口が見えたらそれはそれでいいし、何も見えなかったら、それはそれでべつにいいじゃないですか。
(2019.2.18) (レビュアー:大島栄二)
 


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