NakamuraEmi
 
『ヒマワリが咲くヨテイ』
 愛の無い正論を聞くのはとても居心地が悪い。一方で、好きかどうかで論ずる人の声の熱量たるや、それは魂だ。好きだという対象への興味を超え、語り手のファンになるほどの熱。中村絵美の唄。女と男の物語を超えて、この歌い手の愛情論の渦に巻き込まれる。「大好きだから生きている」ってところへ、いつの間にか立っていたら、 不安も覚悟も「好き」でしか解決できない。誰の明晰な助言も他人事の日、ただ一筋、心に差し込んで来るのが花の咲く姿……
 
  (レビュアー:北沢東京)  

 
『YAMABIKO』
 ちょっと挫けそうになっている全ての人に聴かせたい。甘えの道を選びそうになる自分に聴かせたい。どんな道でも自分を信じて進めばいいし、他人の何かと比較などせず昨日の自分と較べて進む。そんな強さが当たり前に歌われることの何と力強いことか。HIP HOPと呼べば良いのか。それともポップな歌と呼べば良いのか。いや多分そういう既存の何かではなく彼女だけが持っている何かをただ追求している結果の音なのだろう。声の強さと、思想の強さと……
 
  (レビュアー:大島栄二)