Turntable Films
 
『Cello』
 筆者にとっては当初、彼らは“いかにも京都的な、バンドの風情”をまとっていた。オルタナティヴなブルーズ・アンド・カントリーを英詩に乗せて届けていた様をKBSホールをはじめ、各所で観ていると、寧ろ安心もした。そういった場が京都的でもあるという象徴が表れてもいたからで、深いサイケデリックな音の渦に飲み込まれないレベルで、スマートに演奏する彼らの佇まい、は清々しくも、浮いていた。10年代前後のブルックリン・シーンのポップネス、変拍子……
 
  (レビュアー:松浦 達(まつうら さとる))  

 
『Misleading Interpretations』
 ひねくれていると思う。耳に響いてくるのは英語詞のポップなサウンドと歌。だが、何かがひねくれている。京都市内御池通から御幸町通へとワンカットで撮影されるビデオもユニークにひねくれている。普通にポップなどいうのは恥ずかしいのだろうか、京都にはこういういい意味のひねくれたバンドがとても多いように感じる。それが、英語で歌いながらも日本どころか京都っぽいテイスト、テイストというよりも土着な染みのようななにかを感じさせてくれるのだ……
 
  (レビュアー:大島栄二)