フジロッ久(仮)
 
『逆らえ!』
 無茶苦茶だ。この音符の凝縮度。ただただBPMを上げるというのとはまた違った、決まっている小節の中にこれでもかと音符を詰め込む作業。速度はけっして上がっていないのに音符が詰め込まれていくことで全身の血が沸騰しそうな感じ。これは良いよな。音符というよりもリズム隊の無闇な叩きまくり。ヘビーメタルのドラムソロを5人のドラマーでやってるのかと思うくらいで、ある意味小気味よい。フジロッ久(仮)の曲はその曲調スタイルの点でいえば必ずしも一定では……
 
  (レビュアー:大島栄二)  

 
『あそぼう』
 軽やかな鍵盤の響きが曲の全編を通して鳴り続け、泥臭い歌声も歌に込められた強い意思もすべてが音楽に昇華しているような印象を持ちます。ビデオの中に散りばめられる時事的な映像は何を意味しているのでしょうか。社会はどんどん複雑になり、問題は積み上げられてもはや個人が手をつけることなど不可能なレベルに達していて、じゃあどうすればいいんだって困窮の中で嘆くことさえ許されない現代に、ただひとつの抵抗は遊ぶということなんじゃないかって……
 
  (レビュアー:大島栄二)