エレファントカシマシ
 
『RAINBOW』
 エレファントカシマシは、日本のロック・シーンのなかで、やはり孤高で、あまたのバンド、アーティストから敬愛の念を示されながら、フェスやイベントなど大舞台にも出るが、良くも悪くも指定席があるようでなく、全体像からズレているようで、「ガストロンジャー」などで客を煽るときの姿は昔からの変わらなさ、無骨さを思う。その無骨さがまた魅力なのかもしれない。数知れない涙雨が降っただろう今年の先に、虹がどうか架かりますよう。その虹の方向に。……
 
  (レビュアー:松浦 達(まつうら さとる))  

 
『悲しみの果て』
 3年前のあの日、僕は下北沢で揺れを感じ、停まった電車を諦めて8.5km先の家に向かって歩き始めました。ただ家族のことだけが気がかりで、奥さんに電話をするもつながらず。ただひたすらに歩き、電話をかけ続けたのを思い出します。時間が経過しようやくつながり、家具は倒れたものの怪我も無いと聞き、ホッとしながら夕食のことを考え始めました。まだテレビの映像など見る前のことです。その後の情報からすれば僕の体験など悲劇でもなんでもないし、悲しみと絶望に……
 
  (レビュアー:大島栄二)