古賀小由実
 
『水の舟』(Chima×古賀小由実)
 これはイイなあと素直に思う。曲の最初で古賀小由実の弾き語りが始まって、ああ、いつもの古賀小由実の歌声だなあと思ってると、ハミングコーナーの後にchimaの歌パートが始まる。明らかに古賀小由実の声とは違う種類のボーカルだ。高くて、澄んでいる。その後にまた古賀小由実が歌い出す。古賀小由実の声も澄んだ声だとずっと思っていたけれど、chimaの声と較べれば、どことなくやわらかな布で包まれているような声だと気付く。どちらが優れててどちらが……
 
  (レビュアー:大島栄二)  

 
『くものすきまに』
 佐賀を拠点に活動中の古賀小由実さん。もう、ホントに良いんです。個人的な好き嫌いですけど、大好きなんですコレ。コレとか言っちゃいけませんね。この人。声といいメロディといい、リズムといい。聴かせればほとんどの人のお気に入りになるだろうこの音楽。なのにガツガツと前に出ようという姿勢がほとんど感じられない印象で、ファンとしてはもどかしい気持ちもあるわけですが、そのガツガツとしないからこそ生まれるテイストもあるんじゃないかなあという気も……
 
  (レビュアー:大島栄二)  

 
『なのはな』
 鍵盤の音は誰が弾いても同じなはずなのに、なぜか弾く人の心がそのまま音となって広がるような気がするから不思議だ。僕が大手レコード会社を辞めてインディーズで生きていこうと決意した頃に出会ったシンガーのことを思い出す。彼女もまた可憐な鍵盤の音を鳴らして、澄んだ声で歌っていた。当時はまだ僕自身にもさほど力もノウハウもなく、CD1枚出すのにも高いハードルがあった時代で、彼女とは何度も話をしたものの、結局CDを出すことは叶わなかった……
 
  (レビュアー:大島栄二)