星野源
 
『POP VIRUS』
 彼の声や詩はいつまでも弾き語るままで、演出が派手に、サウンドメイクが変わろうが、彼自身の想いはいつも独りきりで内奧のままに他者へ手を差し伸べているのは変わらないのは想う。それがゆえに、まだ星野源の内部性はいつまでも無防備に関わらず、受け手の心臓を掴む。こういったことも野暮なくらいになるほどに今の日本のカルチャー・シーンに彼はもう欠かせなくなったのはコンセンサスとして。平成の次に。くだらなさとバラバラな未来の先に……
 
  (レビュアー:松浦 達(まつうら さとる))  

 
『Snow Men』
 「世界」(と呼べるような代替語がまだ、あるとしたら)が「あなた」に直結する気味の悪さに距離を置いていたとしても、現在、少しの気力や暇があって、検索能力があれば、全く知らない誰かの「恋愛的な何か」を模した映像に触れることができる。数秒の間のキス、抱擁動画、それらがなんの意味を成してなくてもいい、ただ、瞬間に「強度」だけを示していて、それが、いや、それ(ら)が共有される紋切型の空間に砂流みたく消費され、確認されるのならば…
 
  (レビュアー:松浦 達(まつうら さとる))