ヒカシュー
 
『放射能(Radioactivity)』
 2011年当時はまだまだ世間の関心も高く、デモやら何やら行なわれていたけれど、今となってはもう誰も騒いでなくて。騒いでる人がいれば奇人変人の扱いで見られたりもする。ヒカシューのこの曲、ショッキングでしたよ。特に政治的な意見を言っているのではなくて、事実(?)を淡々と述べているだけのような曲。淡々とした鍵盤によるマイナーなフレーズが繰り返され、巻上公一のテルミンサウンドが不安な何かを連想させる。この曲はもともとクラフトワークの曲で……
 
  (レビュアー:大島栄二)  

 
『プヨプヨ』
 2010年代後半にヒカシューを観て聴いてもあの当時に当時の若者が感じた何かをリアルに感じられるわけがないと書いたのだが、改めて聴いてみたら今見てもブッ飛んでてアバンギャルドで、やっぱスゴいや。でもこのスゴいやというのが曲者で、当時聴いた僕が当時の感触を脳のどこかに持っていて、それがある意味結晶化してしまっているわけで、彼らがまったく無名のバンドとして2018年に現れて初めて聴いた時に同じ感想を持てるのかというと、その自信はない……
 
  (レビュアー:大島栄二)