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サキタハヂメ
『蘇州夜曲』

 ノコギリ演奏家、作曲家として名を馳せる彼の名は知っている人は多いかもしれない。あのノコギリから奏でられる震え、消え入りそうな幽玄さ、抒情、そして、実際のパフォーマンスそのものには、音楽に疎くとも、魅惑があると思う。しかも、奇を衒った音楽をやるというより、交響楽団とのコラボレーションからCM音楽やワークショップまでノコギリを通じて、ムラ化、カテゴライズされる音楽の垣根を斬るようで拓けた活動を続け、老若男女、国や言語を越えて、軽やかにその場を柔らかくほぐす。彼のライヴには何度か行ったことあるが、演奏が始まると、緊張感とともに不思議なたおやかさが訪れる。パフォーマーにもよるものの、ライヴという状況で張り詰める息苦しさとは別種の、空間が広がる感覚といおうか。この「蘇州夜曲」のカバーで伝わってくる何かがあれば、動画や実音源もいいが、どこかのタイミングで一度、生で観てほしいと思う。
(2014.4.18) (レビュアー:松浦 達(まつうら さとる))
 


   
         
 


 
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