hotal light hill's band『ビューティフル』 Next Plus Song廻猫『症候群』

Ásgeir
『Torrent』

 多幸感に包まれながらも、どこか悲しい。見えてくるのはそんな感情を呼び起こす景色だ。わたしの2015年のライブ初めはÁsgeirで、神々しいとさえ感じさせる圧巻のステージだった。「Torrent」は美しさと儚さに溢れている。アイスランド出身であることと関係があるのか、冬の雪原に降り注ぐきらきらとした陽光のイメージが浮かぶ。白い世界で乱反射するように、音の一つ一つが輝く。ライブ当日、アンコールでこの曲が披露されたとき、そこに広がる光景は、普段音源で聴いているとき以上に鮮やかだった。ライブハウス内は人で溢れているのに、そこにはただ一人、わたしだけしかいない。透き通った歌声は祝福のように響き、多幸感が降ってくる。けれどその感情もイメージも、ただ一瞬、刹那的なものでしかないからこそ、悲しいのかもしれない。若干21歳にしてたどり着いたこの境地。早く、次の作品でまた新たな景色を見せて欲しい。
(2015.1.28) (レビュアー:夜鍋太郎)
 


   
         
 


 
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