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宇多田ヒカル
『Goodbye Happiness』

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 一昨日のレビューで「藤圭子の声のキレと和田アキ子のパンチ力が生み出す清々しさ」というキャッチを書いたら藤圭子の歌を聴きたくなり、YouTubeをいくつか。自分のその言葉は間違っていないのかを確認したかったから。若い頃の藤圭子の表情は哀しみを一身に背負ったような感じで、一方後年に歌番組で歌う表情はそういう背負いがすべて取れたようなあっさりとしたもので、同じ人なのかと不思議な気分になる。藤圭子の娘である宇多田ヒカルは1998年の衝撃的なデビュー以来音楽シーンの重要人物だが、2010年にアーチスト活動を無期限休止することを発表した。この曲は活動休止にともなって発売されたシングルコレクションに収録された新曲の中のひとつ。Goodbye Happinessというタイトルはどういう意味なのだろうか。歌詞を読んでいろいろ考える。考えるのはリスナーの自由だし、正解がない以上自分が思う意味が自分にとっての正解だとは思うが、それは同時に作者の考える正解とイコールになることはないということの証明のようなものでもあるだろう。彼女のセンセーショナルな栄光と実績と毀誉褒貶は母親のそれとも重ねられることはあるが、それでも、たとえイコールにしたいと努力したところで人生が同じになるなどは有り得ず、だから重ねたがるのも他人の興味本位の安易な結論付けに過ぎないのだろう。そんな彼女のホームページでは昨日、男の赤ちゃんが生まれたことが発表された。なんとまあめでたいこと。活動休止発表時に「人間活動に専念したい」と言ってたことがひとつの形として実を結んだといえよう。余計なお世話かもしれないが、母子に幸あれと願うばかりだ。
(2015.7.4) (レビュアー:大島栄二)
 


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