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17歳とベルリンの壁
『終日』

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 シューゲイザーと言われるとちょっと身構えてしまうのは旧い世代の悪いくせだろう。だがノイズとポップの融合という初期の定義の中、よりこだわった新しい音楽をアーチストたちが競って追い求めた結果、実はポップそのものからはかけ離れる傾向を持つことになり、一部マニアの人だけが共感したものの、普通の人たちを置き去りにしていったのが、シューゲイザーが最初のブームを一過性のもので終わらせた原因だったのだろう。しかし完全に消えることもなく、レコーディング機器の発達がそもそもポップの人たちにも様々な試みを容易にさせたことが、ふたたびシューゲイザーの盛上がりを興させていく。それでも一般的にはマニアックな音楽ジャンルだったりするのだが、このバンドのこの曲はとってもポップでカラフルで聴いていてとても心地よく、ああ、シューゲイザーがその当初から求めてきたのは、自らがシューゲイザーであるなどとは思いもよらなかったようなポップな何かなのではなかったのかと、そう感じたりする。男女ツインボーカルの彼らの「歌」は当然のように男女の声によって成り立っていて、アイドルポップ全盛の昨今では男性ボーカルの存在こそがシューゲイザーのノイズ要素なのではないのかと意地悪なことを想起してみたりもする。だが、ここに男性ボーカルが存在しているということが、シューゲイザーは単純なポップではないんだよという矜持のようなものなのかもしれない。
(2015.7.7) (レビュアー:大島栄二)
 


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