WOMCADOLE『綺麗な空はある日突然に』 Next Plus Song長渕剛『巡恋歌』

Sacra e sole
『スピカ』

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 街を歩いてこういう声が飛び込んできたらどう感じるのだろう。誰だろうと思うだろうか。どこかのBGMだと思うだろうか。それとも多忙ゆえに聴こえていることを感じることもなく足早に過ぎ去ってしまうのだろうか。テレビでもラジオでも、いや今は主にインターネットで大量のコンテンツを流し込まれるように暮らしていると、ちょっとやそっとの歌声には耳を傾ける余裕はあまりなく、既に知っているものにしか時間を割こうとしないのは仕方ないことであり、だからバンドマンもイントロの数秒でどうやって気付いてもらえるのか、興味をもってもらえるのかに四苦八苦している。それを仕方ないと思うのもいいけれど、だからこそふとした時に自分に聴こえてくる良い音良い声というのは奇跡的な偶然であると気付いた方がいいし、気付くことで自分の人生は俄に色合いを高めていくのではないかと思う。京都の繁華街四条河原町、高島屋前の交差点で歌う彼らの映像はとても興味深い。この場所は信号を渡って目的地に行く人で常にごった返す。基本的に立ち止まって曲を聴く人はかなり少ないはず。それでも信号を待つ間だけはそこに立っていなければならず、その時間にどう耳に留めてもらうかがストリートミュージシャンの勝負ということになるのだろう。曲終わりでボーカルのSacraさんが跪くような深々としたお辞儀をし、拍手が起こる。その多寡は今の時点では問題ではない。目的地に向かおうとする人が足を止め、拍手をして去る。その人数はやがて増えていくのではないかと、この歌を聴いて素直に思える。
(2015.9.25) (レビュアー:大島栄二)
 


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