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『Don't Fight It』

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 新語辞典や日々の自身の中の限定されたタイムラインを読むより、おそらく、2016年はこれまでのような反動の、「反動的な何か」が立ち上がってくるのではないか、という気がする。大きく、シンプルに何かを云い切った気になることができる潮流へのアンチ・テーゼ。そのテーゼへの懐疑。例えば、「食育」というテーゼで何か分かった気がする「分かった」はより霧消していき、そこから、フード・サイエンス、腸内細菌、更にはフード・メタボロミクスに連関するような。安易な検索に引っ掛からない中で、育まれてゆく智慧が芽吹く予感と、そこにおける陣地争い。そんな陣地争いを拒否するように、NYから彼らはベタ・メタにあえてスイートに「“それ”と闘うな。」と甘く、問う。いつかのチルウェイヴの波を掻き分けて、どこか間延びしたコラージュ、ユーモア・センス、セクシャルな倦怠と、シリアスな現状、モノクロームの未来を今のセンスで撹拌するいかにもな鮮やかさは“いかにも”すぎるかもしれないが、レコード針が擦れ合う音の隙間から、真摯に第三者的な意識を主体に変換する可能性を持っているとも感じる。
(2016.1.5) (レビュアー:松浦 達(まつうら さとる))
 


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