YUTORI-SEDAI『涙の雨』 Next Plus SongPrimal Scream『Where The Light Gets In』

Desperation
『LOVE JET』

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 今ほど誰でも音楽を発信することが容易な時代はかつて無かった。作ることも、届けることも。CDを作ることも全国に販売することだって個人ベースでできてしまう。だが、続けることは相変わらず難しいことだ。根性と情熱さえあれば続けることは誰にでもできる。だが、その根性と情熱が一番難しいのだろう。リスナーの側はというと、かつては作品を引っさげてステージに上がってきた段階でかなりの根性と情熱が担保されていて、だからその中から好みに合う音楽を選んでファンになればよかった。だが今やプロもアマも玉石混淆のステージから、好みに合う音楽を選んだところで、ナンチャッテで活動しているミュージシャンは半年もすれば解散や休止になってしまい、それまでファンとして注いだ情熱を返してくれと言いたくなってしまう。そういう観点からいえば、ファンになるなら長く活動を継続できているミュージシャンの中から選ぶことが、残念な結果を避ける秘訣だろうといつも思っている。要するに、それはミュージシャンの本気や覚悟をどう確認するのかというひとつのヒントである。このデスパレイションは2000年に結成し、その後メンバー離脱による活動休止期間や、リーダーの難病などもあり思うような活動が出来ない時期が長かったものの、不屈の闘志でアルバムリリースなどしながら何度も復活を遂げている。普通だったらへこたれて諦めてしまってもおかしくないのに、続けてしまう原動力は何なんだろうか。それはバンドの数、ミュージシャンの数だけ理由はあるだろうが、突き詰めていけば自分の作る音楽への信頼ということになるのだと思う。デスパレイションのジャンルはゴミロックというらしい。それは何の価値もないゴミのようなロックという意味なのだろうか。いや、まさかそうではないはず。何度踏みつけられても再び立ち上がるという、雑草魂というような意味なのではないかと思う。だから彼らを応援するということは、バンドが勝手に止めることでファンがハシゴを外された状態で置いてきぼりにされたりするようなことはまず無いのではないかなあと、そこだけは担保されるのではないかなあと、思う。
(2016.4.5) (レビュアー:大島栄二)
 


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